Merodoras nheco
Merodoras nheco (以下、メロドラス)について!
1.
メロドラスは南米のパンタナルに分布することで知られるドラスです。オカレンスデータからも真面目にパンタナルに生息していることがわかりますね。Merodoras属を新設したよという論文が出てはいるのですが、学術上ではAmblydoras nheco名前で扱われ、アンブリドラス属に分類されます。そこのところは明るくないのでよくわかりません。珍しい種で有名ではありませんがたくさんの魅力が詰まった可愛らしいトーキングキャットです。
Merodoras (メロドラス属) の語源はギリシャ語のmeros (=部分、部分) で不完全な側線を意味し、nheco (ンヘコ) の語源は本種の発見地であるネコランディア (Nhecolândia) の町にちなんだ名前であるようです。
2.
見分けはチョー簡単。体側中央のトゲトゲ (稜鱗) が途中でなくなっているとメロドラスです。
その他、顔が小さかったり、全体的に丸みを帯びていたり、淡い褐色で細かいまだら模様があったり…などと色々な特徴があります。が、アンブリドラスにそんな雰囲気の個体がいたりするのでトゲトゲで見分けるのがオススメです。
上がメロドラス、下がアンブリドラス
トゲトゲが不完全ですね。この特徴はメロドラス ンヘコのみにしか見られません。
上が全長66mmの個体の稜鱗、下が全長86mmの個体の稜鱗
成長によるものかどうかは何とも言えませんが配列や数などに個体差があります。
頑丈な骨板やトゲトゲで自分の身を守っているメロドラスですが、冬になり水位が下がると、パラグアイカイマン(jacarés-do-pantanal)というワニに食べられちゃいます。さすがにワニには敵いません、残念。ちなみにドラスはあまり味がよろしくないため食用魚となることは少ないようです。
3.
私の手元にいる2匹のメロドラスです。
上が全長66mmの個体、下が全長86mmの個体
上2枚が全長66mmの個体、下2枚が全長86mmの個体
4.
飼育は簡単です。丈夫な種なので基本的な熱帯魚飼育方法となんら変わりありません。生息地であるパンタナルはクリアウォーターでありpH:7.0前後なのでカルキを抜いた水道水を使うといいでしょう。水温も25℃ほどでいいでしょう。またパンタナルの中でも氾濫域の湖沼に生息するため強い水流は避けましょう。
水槽には底砂か隠れ家となるシェルターを入れましょう。底砂は潜りやすいよう粒が細かく丸いものを用意してください。シェルターは体の幅にぴったり合うものを用意してください。アバウトなものを用意するとなかなか入ってくれません。
餌は市販の沈水性配合飼料で問題ありません。夜行性のため餌やりは消灯後にしましょう。目の前で食べてくれないかもしれませんが夜のうちに食べてくれます。
また現地個体のほとんどに膀胱の内壁とその内部の胸膜の間に多くのシタムシ (Pentastomida) が寄生しているようです。今のころ私には寄生虫のようなものを見たりドラスが不審死するなどの経験はありません。
参考
Merodoras Nheco, New Genus And Species From Rio Paraguay Basin, Brazil (Siluriformes, Doradidae), And Nomination Of The New Subfamily Astrodoradinae
HORÁCIO HIGUCHI, JOSÉ L. O. BIRINDELLF, LEANDRO M. SOUSA & HERALDO A. BRITSKF
GBIF オカレンスデータ検索 メロドラス ンヘコ
コメント
コメントを投稿