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Amblydoras nauticus

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 Amblydoras nauticus  (Cope, 1874) について。 1. 基本データ Amblydoras nauticus  (Cope, 1874)  アマゾン川上流域に生息する10cmほどの小型トーキングです。学名はギリシャ語のamblys(鈍い)とdoras(皮膚)に由来します。本種にスポットライトが当たることはなく流通は稀ですが、たまーにアンブリドラスの名で安く売られていたりスコーピオドラス リオマディラの名で高く売られています。分類については アンブリドラス属検索 をご覧ください。 2. 見分け方 ①稜鱗 (上)A. nauticus 、(下)A. monitor   わかりやすいのは稜鱗です。本種はトゲトゲがとっ散らかっていますが他種は一列しかありません。と言い切りたいところですが残念ながら他種にもトゲトゲをたくさん持つ個体(変異によるものと思われる)が少数います。ただ、このポイントで十中八九は当たりなので例外アリと考える程度でよろしいと思います。 ②頭骨の輪郭 (上)A. nauticus 、(下)A. monitor  二つ目は頭骨の輪郭です。本種は鋭角はなくギザギザッと収束しますが他種はピンと角張ってシュッと収束します。と言い切りたいところですがこちらも例外アリです。  他にも顔が丸っぽかったり、何かこうショートな感じだったり、鰭が短いような気がするところなど独特の雰囲気でなんとなく見分けれますが、決定打になるポイントなどが記載される文献は見つけられませんでしたし個人的にもわかりませんでした。 2. ギャラリー Lサイズ水槽のとき 体色はコロコロ変わります 30キューブに移したとき 白いお腹に白い髭 45cm水槽に落ち着いたとき 砂を敷くほうが楽しい からだを動かすのが好きなよう おちょぼ口につき餌の大きさにはご注意を 雌雄差? 3. 飼育について  特筆すべきことはなく、通常の熱帯魚飼育と変わりません。水槽に隠れ家を入れ、砂を敷くと落ち着きます。隠れ家はピッタリ合うサイズのものを、砂は潜りやすいよう粒の細かく丸いものを選びます。他のトーキングと比べるとよく泳ぐ方だと思います。丈夫なので基本通り水温25℃水質中性で問題なく飼育できていますが、丈夫さに甘えることなく丁寧な飼育を心がけましょう。

Platydoras armatulus

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  Platydoras armatulus についてまとめました。一般に流通するホワイトライントーキングキャットフィッシュ、略してホワイトラインです。 1. 基本データ Platydoras armatulus  (Valenciennes,1840)  オリノコ川下流域、アマゾン、パラグアイ-パラナ盆地に分布するドラスで、15cmほどまで成長します。ワイルド個体だけでなくCB個体も流通します。特に3cmほどの赤ちゃんホワイトラインは目に何匹入れても痛くないほど可愛らしいです。成長するとだんだんと格好良くなります。ホント素晴らしいナマズ。学名のPlatyは「平らな」、doras は「皮膚」を意味します。目にする頻度が多く知名度も高い割に、未だ同属多種との違いが写真付きでバシッと書かれた図鑑や記事がありません。ミステリアスな一面もあるわけです。  私は初めて目にしたドラスも初めて飼育したドラスも本種なので特別な思い入れがあります。(おそらく)調子や気分に合わせて体色や顔色がコロコロ変わるので見ていてとても愛着が湧きます。向こうからしてみればコッチミンナ!でしょうけどね… 2. 写真いろいろ  撮り溜めている本種の写真を貼っておきます。過去写真を漁るうちにドラスの飼育歴は短いもののいろいろな思い出があるなぁとしみじみしておりました。 飼いたてホヤホヤのとき。私もドラス飼育者に成り立てホヤホヤ。2020.2.19 あどけない顔をしています。2020.2.23 Blue-eye catfish の英名もあります。2020.10.24 ブラックウォーター時代。2020.12.28 百均で買ったクリップ型のマクロレンズを携帯に付けて遊んでいた頃。2021.1.6 またクリアウォーターに戻してますね。可愛らしいお気に入りの写真です。2021.4.22 本当にカッケー。2021.5.14 ドラスは「背中で語る」ですな。上見で楽しむのもアリよりのアリです。2022.1.30 ひとつ前の写真から縦横比が変わったのはコンデジを使い始めたためです。まだまだあどけない顔つき…?2022.3.15 3. 飼育について もはや隠れもしない45cm水槽のガキ大将  本種を飼育するには最低でも60cmレギュラー水槽を用意しましょう。個人的に以前は45cm水槽で飼育していましたが無理を感じたので現

ホワイトライントーキング検索

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 ホワイトライントーキング( Platydoras 属)の魚類検索を作りました!私が実際に飼育したことがあるのは P. armaturus  だけなので感覚的なアレは乏しい内容かも。 Platydoras birindellii  アルマータストーキングなどの名前で流通します。明るい茶色の体色に加え黄土色の大きな稜鱗が連なるなど特徴の多い個性的な種です。よくシングー川の瀬で泳いでいるとのことなので飼育の際には大型の水槽にディフューザーを付けて岩組みなんかカッケーなと思います。また、  Centrochir crocodili (Humboldt, 1821)の姉妹種のようです。聞き馴染みはありませんが変で良いドラスなので是非調べてみてください。 Platydoras costatus  ビッグスケールドラスなどの名前で流通する黒い系プラティドラスです。熱帯魚店の入荷情報を見ていると黒い系プラティドラスには、ビックスケールドラス、ニュービックスケールドラス、プラティドラスsp. の3タイプがいるなぁと感じますが、どのタイプが本種にあたるのか、そもそもそれらの間に種レベルの差はあるのか全くわかりません。私調べでは普通のホワイトライントーキングの稜鱗は27枚前後なのに対して、黒い系プラティドラスは30枚になるという違いが見られます。昔の書籍では本種の学名がホワイトライントーキングキャットに宛てられていますが間違いです。 Platydoras hancockii   ハンコッキーというとハンコッキートーキング(アンブリドラス属)を思い浮かべる人が多いでしょうし、昔の書籍でもアンブリドラスの学名は Amblydoras hancockii と紹介されています。しかし、正しいハンコッキートーキングの学名は A. monitor です。また、 hancockii の種小名をもつドラスは本種のみです。真のハンコッキートーキング( P. hancockii )の流通は少なく、どこからこの名前が出てきたのか…不思議に思います。   Platydoras armatulus 流通するホワイトライントーキングキャットのほぼ全ては本種です。スポッテッドトーキングキャットと並んで小型ドラス入門種と紹介されますが、小型種と考えていてはあっという間に水槽が小さくなります。 Platydora

アガミクシス属検索

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 アガミクシス属について個人的見解をまとめました。といっても2種だけです。 Agamyxis pectinifrons   スポッテッドトーキングキャットです。主にペルーやブラジルからの個体が流通します。 Agamyxis albomaculatus A.  pectinifrons  とは浮き袋の形が違うらしいようです。オリノコ川に生息しているとのことなのでコロンビアからの個体は本種かも?ですが、詳しいことはホントわかりません。とりあえずコロンビア産の個体を本種として紹介しています(リンク)。

Agamyxis pectinifrons

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  Agamyxis pectinifrons (Cope, 1870)  について。いわゆるスポッテッドトーキングキャットです。 1. 基本データ Agamyxis pectinifrons (Cope, 1870)   スポッテッドトーキングキャットの名で流通します。ペルー、ボリビア、エクアドル、ブラジルのアマゾン川流域に分布する10cmほどの小型ドラスです。飼育されている個体で20cmほどのを見せていただいたことがありますが、アレはドラスというか…王蟲とかいうまた別のバケモンです。コロンビア、ベネズエラのオリノコ川流域には同属の  Agamyxis albomaculatus  (Peters, 1877) が分布しており、コロンビア便の流通個体が本種に当てはまるのかと思います。なにやら浮きぶくろの形で見分けることができるようですが… 残念ながら外見上の違いは把握できていません。   Agamyxis  の語源はギリシャ語のagan(多い)とmyxa(粘液)からです。もちろんナマズの仲間なのでヌルヌルはしますが名前になるほどではない気がします。  写真の個体は尾柄部の模様が白く乱れていますが、これはCB個体に見られる特徴のようです。 2. 写真いろいろ  反射していたり指が入っていたり…あまり良い写真は撮れていませんがモデルがかわいいのでご覧下さいませ。 ザ・CB 個体の風貌 カッチョいい背中 もっちり腹側 3. 飼育について  私はCB個体のみ飼育歴があり、ワイルド個体は触ったこともないので悪しからず。  底砂に潜るといった行動は見せず、木の裏やシェルターの中に隠れたがります。ずんぐりむっくりな体型ですから当たり前といえば当たり前かもしれませんね。  また、シェルターに隠れているときに引っ張り出そうとすると胸鰭をロックして立てこもります。水換えや水槽の引っ越しの際では意外と厄介になるので注意が必要です。  CB個体の特徴なだけかもしれませんが、餌はドラスの中でもよく食べる方でかなり太りやすいと思います。まだ人前に出てきますが所詮ドラス、引きこもりなので飼育者がキッチリ確認&管理しましょう。 4. アカンソドラスとの見分け方  スポッテッドトーキングキャットはポピュラーでドラスの入門種的存在となっていますが、その一方で “スポッテッドかアカンソか問

アナドラス属検索

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 アナドラス属について個人的見解をまとめました! 駆け足で作りました…  まあ形にはしましたが… 論文など参考元がなかなか見つからなかったので内容には不安があります。下に細々と書きましたがふわふわとした内容になっています。 [ Anadoras grypus ]  グリプスが最も耳にするアナドラスだと思います。ポスターに書いてはいませんが、シャープな体型をしていて、黒斑模様が白で縁取られている個体が多いような気がしなくもない…です。 [ Anadoras weddellii ]  ウェッデリー も耳覚えがある方が多くいらっしゃるでしょう。現状、寸詰まり体型をしていて全体的に淡い色の個体がウェッデリーではないかと思っています。  そのためイラストでは特徴的な淡い色にしましたが、グリプスに似た白黒カラーの個体もいます。ただ黒斑模様に白縁取りがないのが違いになっているような…? [ Anadoras insculptus ] 情報不足により言うことなし! [ Anadoras regani ] こちらもまた情報不足により言うことなっしんぐ。 こんな具合で浅くしか調べられていませんがこれからの研究や書籍に期待しましょう。 Reference   Steven Grant (2021): Banjos, Dorads and Woodcats − Aspredinidae, Doradidae and Auchenipteridae Catfishes. ATS-Aquashop.de. 299p. Dignall, J.G. (2022, 20th June). PlanetCatfish.com, The aquarium catfish website. Retrieved from https://www.planetcatfish.com/

アンブリドラス属検索アップデート(2)

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   以前の投稿 のアンブリドラス属検索をアップデートしました。  イラストでは鼻の位置を見直したり、レイアウトをいじったり… 細々と変えてます。 (タップすると高画質の画像を読み込めます) 今回からラベルをアップデートに変更しました。

アンブリドラス属検索アップデート(1)

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  以前の投稿 のアンブリドラス属検索をアップデートしました。  それでは最新ポスターです。(バージョンをつけるとカッコいいと思ってやってます。数え方が間違っていればカッコ悪いので教えてくださいね。) (タップすると高画質の画像を読み込めます) 【変更点】 ①アンブリドラス ノーティカスをカラーチェンジしました。以前のような灰色になるのはなるのですが茶色が普通カラーっぽい…? グレーな気分なんでしょうか。。。元気出してね。 ブラックウォーター気味ではありますが体色は茶色だとわかると思います。ただ底砂を見る限り茶色補正の影響は少なそうですね。 ②全くわからないという意味も込めてNo imagineとちょけたのですが、ツッコまれたのでおとなしくNo imageにしときます。 ③アンブリドラス ボリバレンシスとゴンザレスのシルエットに塗り残しがあったため塗りつぶしました。 【追加変更点】5/11 ①英語版ポスターにおいて学名のフォントを一部変更しました。 ②またもやシルエットの塗り潰しが足りなかったので塗りきりました。 日本語の方はver. 1.1.1、英語の方はver. 1.1.2が最新版です。

アンブリドラス属検索

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  アンブリドラス属について個人的見解をまとめました!   あやこや言う前にとりあえず。 いくらかの変更点がありましたので コチラ から先にご覧下さい。 タップすると高画質で見ることができます とどのつまりこのポスターが今回の肝です。でも続きも読んでちょんまげー。図にまとめるところでかなり手短な説明になったためこれから詳しく話していきます。ソースは逐一書きますが下にもズラッと載せておきます。 A poster in English is also included at the end. (最後の方に英語版のポスターも掲載しておきます。)  では左ページから…  まず Merodoras nheco  ということで参考元は ココ *1 です。新種メロドラス報告論文なので信用できると思います。興味を持った、そんなあなたには私が以前作った メロドラスの記事 をオススメいたします。  海外では Amblydoras nheco と紹介されているサイトや書籍が多く見受けられます。またアンブリドラス属に分類されているどころかンヘコの記載がない論文もあることから知名度は低そうです。論文が出ているので新属、新種として認められているはずなのですが…  日本でもメロドラスの名前でアンブリドラスが売られていたりするので今回ポスターに掲載しておきました。それはそうとメロドラスの名前で売られるアンブリドラスも珍しい見た目をしているのでお買得だと思いますよ。  次に A. nauticus ですが参考元は 洋書 *2 です。トゲトゲしてたら A. nauticus だというニュアンスで書いてありました。実際のところはわかりませんがそれを信じるしかないようです。読み方はノーティカスとしましたが私調べです。響きが良いですね… 我はノーティカ・セブン〜♪   洋書についてですが、マイナーなドラスにしては色々と書かれていて良いと思いました。ポスターには関係ありませんが同シリーズの ピメロディアの本 *3 も買ってみました。写真がとても良かったのですが残念ながら現在では売り切れになっています。文章についてはほぼ読めていないので評価できません…  そして A. affinis です。アフィニスの名は見覚えがある方もいらっしゃるでしょうが実はここからだいぶ怪しくなります。枝分かれ条件①グアポレ川、ブラン