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さっさと引っ越し!

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 アンブリドラス( Amblydoras nauticus )の引っ越し報告!   手元に3匹いるので「せっかくなら繁殖させたい」と思い立ったが吉日、まずは新しく専用の水槽を立ち上げようと思いました。が、時間がかかるためまずは色々計測してみることに。 手元3匹の計数形質データ  適当に3匹をA、B、Cと割り振って計測しましたが…何というか殺風景ですね。とりあえずサイズ差はほとんどなくいい感じ。まだ小さいので繁殖までには時間がかかりそうですね。ただ気になるのは オスとメスが揃っているのか です。 手元3匹の形態計測データ  表にしましたが胸鰭が太いか細いか、長いか短いかだけの話です。表も書き方が合っているのかどうか分かりませんし…  ドラスは一般的にオスの方が鰭が長く、メスの方が短くなります。そこで胸鰭に注目するとA、Cが長く太く、Bは短く細いという違いが見られました。ということで、おそらく オス2匹 、 メス1匹 の比率と思われます。雌雄が揃っているとわかり一安心です。  AとBの比較です。オスっぽい方は胸鰭が長く太く、メスっぽい方は短く細いですよね。心なしかオスよりメスのほうがふっくらした体つきをしているような… 表より写真の方がわかりやすかったかもしれませんね。 とりあえず全部まとめた表  計測は終わり。同時進行で立ち上げていた水槽も落ち着いてきたはずなので移動開始!  まずはブラックネオンテトラで毒味。ブラックウォーターが似合いますな。数日経過しても元気そうに泳いでいたので…  大丈夫だと思い本命のトーキングキャットを移動させました。これでトーキング1種専用水槽となりましてめでたしめでたし。 写真が撮りにくかったためイラスト  水槽のレイアウトはこんな感じでシンプルです。いわゆるLサイズ水槽を使いました。フィルターは何を使おうか迷いましたが外掛けフィルターを採用。底は化粧砂を厚めに敷いて木を一本だけ入れときました。  ここで二つ問題があります。一つ目は魚が潜らないことです。元々水槽での田砂には潜っていましたが新水槽の化粧砂では次第に潜らなくなってしまいました。  姿が見えて良いのですがドラスの場合はなにやら不安になってしまいます。砂が細かすぎて巻き上げたくないのか、固まってしまい潜りにくいのか…    二つ目に問題なのが木からアクが出たせいでブラックウォーター

Scute

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 ドラスの体側面に生えるあのトゲトゲの呼び名について! 1. Scorpiodoras calderonensis (友人の飼育魚)  ドリアンのように見えるこのトゲトゲ。図鑑の説明文や熱帯魚店の入荷情報などでも「棘」、「棘状の突起」などと表記していてイマイチ (わかりやすくするためなら申し訳ない) ですよね。私はバシッとした正式名称を知りたいお年頃になりました。  ドラスを調べて英語の文章を読んでいるとき「 scute 」という単語がよく出てきます。文脈や図から読み取るにこれがまさしくあのトゲトゲを意味するようです。しかし日本語訳を調べようと辞書を引いても見つからず、ネットで調べてもエッチな会社しか引っかからず…  それからも調べ続けていると「 稜鱗 」にたどり着きました。 2.   まずは稜鱗についてお勉強しましょう。  Wikipediaから引用→ 稜鱗 (scute) は鱗と同じ機能を果たす。表皮から形成される魚の鱗とは異なり、稜鱗は皮膚の下血管層で形成され、表皮要素は一番上の表面のみである。真皮が生きている間に形成される稜鱗は、表面上は鱗のそれと似ている角質の外側層を生成する。 稜鱗は次の形状を取りうる。 ・外部防壁みたいな骨板 ・変形して肥厚した鱗で、しばしば稜線や棘がある ・突出した変形の(ギザギザに大きく隆起した)鱗で、通常は側線や尾柄や腹縁に沿っている。 マツカサウオなど一部の魚は、稜鱗で完全にまたは部分的に覆われている。アロサやツバメコノシロ科は腹部に稜鱗の列があり、これは防御目的で使用される鋭い棘のある出っ張った鱗である。一部のアジ科には側線に続く稜鱗の列が両側にある。 ←引用おしまい。  ほうほうマツカサウオですか。 Monocentris japonica   @四国水族館  ジャーン、写真を撮ってきましたよ。マツカサウオです。確かに全身が棘で覆われていますね。まさしくこれこそが稜鱗であり、皮膚の深いところからニョキニョキ生えていて、表面の見えている棘はほんの一部のようです。そして次はアジ科ですね。 Caranx ignobilis @海遊館  こちらも写真を撮ってきました。スズキ目アジ科のロウニンアジです。腹から尾にかけての側面に生える棘が稜鱗であり、一般に「ゼイゴ (ゼンゴ) 」と呼ばれます。ゼイゴ (ゼンゴ) の名前では聞き覚えがあ

Merodoras nheco

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Merodoras nheco  (以下、メロドラス)について!   1. Merodoras nheco   Higuchi, Birindelli, Sousa & Britski, 2007  メロドラスは南米のパンタナルに分布することで知られるドラスです。 オカレンスデータ からも真面目にパンタナルに生息していることがわかりますね。 Merodoras 属を新設したよという論文が出てはいるのですが、学術上では Amblydoras  nheco 名前で扱われ、アンブリドラス属に分類されます。そこのところは明るくないのでよくわかりません。珍しい種で有名ではありませんがたくさんの魅力が詰まった可愛らしいトーキングキャットです。   Merodoras (メロドラス属) の語源はギリシャ語のmeros (=部分、部分) で不完全な側線を意味し、 nheco (ンヘコ) の語源は本種の発見地であるネコランディア (Nhecolândia) の町にちなんだ名前であるようです。   2.  見分けはチョー簡単。体側中央のトゲトゲ (稜鱗) が途中でなくなっているとメロドラスです。  その他、顔が小さかったり、全体的に丸みを帯びていたり、淡い褐色で細かいまだら模様があったり…などと色々な特徴があります。が、アンブリドラスにそんな雰囲気の個体がいたりするのでトゲトゲで見分けるのがオススメです。 上がメロドラス、下がアンブリドラス  トゲトゲが不完全ですね。この特徴はメロドラス ンヘコのみにしか見られません。 上が全長66mmの個体の稜鱗、下が全長86mmの個体の稜鱗  成長によるものかどうかは何とも言えませんが配列や数などに個体差があります。  頑丈な骨板やトゲトゲで自分の身を守っているメロドラスですが、冬になり水位が下がると、パラグアイカイマン(jacarés-do-pantanal)というワニに食べられちゃいます。さすがにワニには敵いません、残念。ちなみにドラスはあまり味がよろしくないため食用魚となることは少ないようです。 3.  私の手元にいる2匹のメロドラスです。 上が全長66mmの個体、下が全長86mmの個体 上が全長66mmの個体、下が全長86mmの個体 上2枚が全長66mmの個体、下2枚が全長86mmの個体 手元の   Merodoras nheco