Agamyxis pectinifrons (Cope, 1870) について。いわゆるスポッテッドトーキングキャットです。
1. 基本データ
Agamyxis pectinifrons (Cope, 1870)
スポッテッドトーキングキャットの名で流通します。ペルー、ボリビア、エクアドル、ブラジルのアマゾン川流域に分布する10cmほどの小型ドラスです。飼育されている個体で20cmほどのを見せていただいたことがありますが、アレはドラスというか…王蟲とかいうまた別のバケモンです。コロンビア、ベネズエラのオリノコ川流域には同属の Agamyxis albomaculatus (Peters, 1877) が分布しており、コロンビア便の流通個体が本種に当てはまるのかと思います。なにやら浮きぶくろの形で見分けることができるようですが… 残念ながら外見上の違いは把握できていません。
Agamyxis の語源はギリシャ語のagan(多い)とmyxa(粘液)からです。もちろんナマズの仲間なのでヌルヌルはしますが名前になるほどではない気がします。
写真の個体は尾柄部の模様が白く乱れていますが、これはCB個体に見られる特徴のようです。
2. 写真いろいろ
反射していたり指が入っていたり…あまり良い写真は撮れていませんがモデルがかわいいのでご覧下さいませ。
ザ・CB 個体の風貌
カッチョいい背中
もっちり腹側
3. 飼育について
私はCB個体のみ飼育歴があり、ワイルド個体は触ったこともないので悪しからず。
底砂に潜るといった行動は見せず、木の裏やシェルターの中に隠れたがります。ずんぐりむっくりな体型ですから当たり前といえば当たり前かもしれませんね。
また、シェルターに隠れているときに引っ張り出そうとすると胸鰭をロックして立てこもります。水換えや水槽の引っ越しの際では意外と厄介になるので注意が必要です。
CB個体の特徴なだけかもしれませんが、餌はドラスの中でもよく食べる方でかなり太りやすいと思います。まだ人前に出てきますが所詮ドラス、引きこもりなので飼育者がキッチリ確認&管理しましょう。
4. アカンソドラスとの見分け方
スポッテッドトーキングキャットはポピュラーでドラスの入門種的存在となっていますが、その一方で “スポッテッドかアカンソか問題” でナマズファンを翻弄しています。
例えば一部のスポッテッドトーキングキャットは「ヨシドラス」「サンダーアカンソドラス」などの名前で高額で販売されています。ヨシドラスやサンダーアカンソドラスは一応アカンソドラスの仲間とされているので名前と中身が違うじゃないか!という問題です。ただ、もちろんその名通りのホンモノが売られている場合もあります。加えて、間違ったインボイスネームのつけられたスポッテッドトーキングでも珍産地だったり特徴的な見た目だったりするので買って損することはまずありません。ご安心を。
なら区別する必要がないと言われればそれまでですが、飼育者たるもの好きなコが気になるのは当たり前。てな訳で比べてみましょう。上がスポッテッドトーキングキャット、下がアカンソドラスです。
一目瞭然なのは尾鰭の形です。上は三角形に対して下は丸型になっているのがわかります。ここを見れば確実に区別できます。他にも目の大きさ、頭部の模様や各ヒレの形や骨などに違いはあるので慣れれば雰囲気で見分けられるようになります。
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