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Wertheimeria maculata Steindachner, 1877

  キボシドットカイザードラス(Wertheimeria maculataを紹介します。ちなみに、お隣の中国では“繁星鐵甲武士(星まみれのドラス)”と呼ばれているようで、なんとなく“美しい魚”という感性は共通しているようです。
 一方、ブラジルでは“Roncador(いびき魚)”、アメリカでは“The Snoring catfish(いびきナマズ)”と呼ばれているようで少し気の毒に思います。

図1W. maculataの生体個体。

1. 概説

学名Wertheimeria maculata Steindachner, 1877
              ヴェルトハイメリア マクラタ
              Wertheimer(ドイツ人名)+macula(斑点-ラテン語)
分布ブラジル南東部(ジェキチニョーニャ川・パルド川)
IUCNレッドリスト(2018年):Least Concern(低危険種)

<形態>

図2. Steindachner(1877)によるW. maculataの図版(Tafel X)。

 体は縦扁し、体高は体長の21〜22%を占める。眼は小さく、頭長に対する眼径の割合は12〜14%である。ヒゲ(barbel)は6本で円筒形、そのうち4本は下顎に位置する。歯は上顎および下顎に毛束状に並ぶ。背鰭棘条は前縁に鋸歯をもち、頭長より短い。胸鰭棘条は扁平で幅広く、頭長よりも長い。臀鰭は脂鰭と相対し、それぞれの基底長はほぼ等しい。尾鰭は二叉するが、その切れ込みは浅く、下葉は丸みを帯びるが上葉はやや尖る。上葉の長さは頭長とほぼ同じか、わずかに短い。からだの背側は黒色で、比較的大型の楕円形の斑紋を有する。これらの斑紋は胸鰭・背鰭にも同様に現れるが、尾鰭・腹鰭・臀鰭においては不明瞭である。また、腹側に向かうにつれて黒色は次第に灰白色になり、斑紋は小型になる。鰭条数:背鰭 D. 1/6、胸鰭 P. 1/9、腹鰭 V. 1/5–6、臀鰭 A. 15–16(4/11–12)。全長は約30 cmに達する(Steindachner, 1877)。

 かなり数えづらかったので、計測ミスがあるかもしれませんが我が家の個体はD. Ⅱ/6.  P. Ⅰ/9.  V. ⅰ/5. A. ⅳ/11でした。

図3W. maculata の体側。触ってみても突起物は特に認められなかった。

 稜鱗(midlateral scutes)をもつが、他のドラス類と比較すると顕著ではない。厚い皮膚に覆われており、皮膚表面はなめらかである。ただし、標準体長75 mm以下の個体では尾柄部にのみ棘が見られる(Birindelli, 2014)。

<生息地>

 河川の本流および大きな支流で、流れのある場所やわんどに生息する。食性は多様であり、主に水際に生育する植物の果実や陸生昆虫を餌とする(Vono & Birindelli, 2007)。

<遺伝子>

図4. W. maculataのカリオグラム。Takagui et al. (2019) のデータを基に筆者が再作図した。

 核型は 2n = 58 で、24本の中部動原体染色体(metacentric chromosome)、12本の次中部動原体染色体(submetacentric chromosome)、8本の次端部動原体染色体(subtelocentric chromosome)、14本の端部動原体染色体(acrocentric chromosome) から構成され、NF(腕数)は104 であった。NOR(核小体形成領域)はテロメア部に位置し、1対の相同染色体にのみ存在した。核型 : 24m + 12sm + 8st + 14a(Takagui et al., 2019)。


2. キボシドットカイザー


なんというか、
ハンカチ持ってなさそう。
リュックの底に小銭が溜まってそう。
話し合いで「みんなと同じで良いよ」って言いそう。

顔だけ見るとそーゆーヤツ。


鰭の雪が積もったような模様は魅力的。
でもスポットは茶色く地味だし、
ゴツゴツ感が全くないし、
お前、、、高級ドラスやねんぞ!?

でもそんなヤツにも夜の顔がある。

街も寝静まる深夜3時。

もちろん水槽の明かりは消えていて真っ暗。

夜行性のナマズたちはクルクルと泳ぎ回っている。

そんなステージで、キボシドットカイザードラスは主役でスター。誰よりもヒーロー!

凹凸ない体を妖艶にくねらせて泳ぐ時間。
体のホワイトスポットから光が漏れ出す時間。

真夜中のオンステージは写真には映らない。
ドラスらしからぬツルンとしたボディ

3. インフォメーション

私はアクアショップKGで購入しました。
2024年9月上旬に入荷したブリード個体とのことでしたが、
特にワイルド個体と遜色ないように思います。

商業的なブリードは
2019年にH&K社とTanganyka fish farmが協同で成功したようです。
(Facebookで確認できます。)
ただ、F1個体までしか成功していないようので
この個体もきっとそのF1なのでしょう。

白色の模様には個体差があります。
写真のように独立して斑点になっている個体もいれば
つながって帯状に見える個体もいます。
ただし、成魚になった際にどの程度まで模様に差が出るのかは、私は知りません。
加えて、夜中になるとパリっと白くなるので、そこまでこだわって厳選しなくても良いと思います。

午前1時







 

  • Steindachner, F. (1877). Die Süsswasserfische des südöstlichen Brasilien (III).Sitzungsberichte der Kaiserlichen Akademie der Wissenschaften, Mathematisch-Naturwissenschaftliche Classe, 74,  559–694
  • Vono, V., & Birindelli, J. L. O. (2007). Natural history of Wertheimeria maculata, a basal doradid catfish endemic to eastern Brazil (Siluriformes: Doradidae). Ichthyological Exploration of Freshwaters, 18(2), 183–191.
  • Takagui, F. H., Baumgärtner, L., Baldissera, J. N., Lui, R. L., Margarido, V. P., Fonteles, S. B. A., Garcia, C., Birindelli, J. O., Moreira-Filho, O., Almeida, F. S., & Giuliano-Caetano, L. (2019). Chromosomal diversity of thorny catfishes (Siluriformes: Doradidae): A case of allopatric speciation among Wertheimerinae species of São Francisco and Brazilian eastern coastal drainages. Zebrafish, 16(5). https://doi.org/10.1089/zeb.2019.1769